議会活動報告「鳥の眼と小さなアンブレラ」第12号

皆様、いかがお過ごしでしょうか。
議会報告第12号ができました。ご一読いただけますと幸いです。
今後ともよろしくお願いいたします。

議会での質問内容を動画でご覧になりたい方は以下のリンクをご参照ください。

一般質問:川越市駅周辺のまちづくりビジョンと今後のまちづくり

はじめに

東武東上線川越市駅は、地元住民が一丸となって誘致し、5,000坪の土地を東武鉄道に提供、大正3年に開業した駅です。紡織工場や高等学校、スケートセンターとともに発展してきましたが、平成に入って工場の閉鎖やスケートセンターの営業終了があり周辺の土地利用は大きな転換点を迎えています。

本市の始発駅で、一日平均4万人以上が利用する重要な駅にもかかわらず、駅前広場は未整備、東西を自由に往来できる動線もありません。この駅のポテンシャルを十分に生かせていないのが現状です。

この8月、「川越市駅周辺まちづくりビジョン」が策定されました。策定して終わりにせず、市民が実感できる形で具体化することが重要と考え、9月議会で質問しました。要点をご報告します。

質問と答弁

Q1. 三駅(川越駅・本川越駅・川越市駅)周辺は、市の中でどんな位置づけですか?
A1. 川越駅・本川越駅・川越市駅の周辺は、第5次総合計画で商業や仕事の場として充実させていく中心地「都市的活動核」とされています。三駅をうまくつなぐことを目指しています。

Q2. まちづくりビジョンとは何ですか?どのような取り組みですか?
A2. 目指す将来の姿と、そのための進め方を示したものです。市民、事業者、市が同じ方向を向いて取り組むための「共通のものさし」になります。
改札口が東側にしかない、駅前広場や道路の整備が足りない、ゆっくり過ごせる場所が少ない、歩く人の安全に課題がある、といった問題を解決するためにつくられました。

Q3. 策定にあたりどんな市民の声が寄せられたか?
A3.

  • アンケート(令和6年11月):東西の往来のしやすさ、安全な歩行空間、利便性やにぎわいの向上
  • ワークショップ(令和7年11月):東西の分断がない街、子育てしやすい街、居場所があり人が集まる街
  • まちづくり懇談会:にぎわい、安全性、みどりなどについての意見

Q4. 目指すまちの姿は?
A4. 将来像は「東西が結ばれ、心地よさとにぎわいが調和する街」です。次の3点を主眼としています。

  • 心地よい場所をつくり、魅力的な都市空間を形成する
  • 生活利便機能の充実や安全で快適な環境により、暮らしの質を高める
  • 業務機能の導入や交流・連携により、まちを成長させる

Q5. 「駅東西の一体化」とは、どういうことですか?
A5. 今は線路でまちが分かれ、整備も進んでいないため、駅を使う人の多くがまちを素通りしています。使われていない土地も多くあります。
そこで、東西を行き来しやすくし、道路などを整え、空いた土地を有効に使って、にぎわいを生む施設を呼び込みます。市と民間が協力して、人が集まれる「居場所」もつくります。

Q6. 暮らしやすさには、どうつながりますか?
A6. 今は、買い物などの便利な施設が少ない、道が狭く歩道が十分でない、東西の行き来に踏切を渡らなければならない、といった課題があります。
子育て世代や高齢者など、いろいろな世代が便利に暮らせるようにし、歩く人中心の安全な道を整え、今ある住宅と調和した町並みをつくることで、暮らしの質を高めていきます。

Q7. まちづくりを進める上での課題は?
A7.

  • 合意形成:地権者や住民の理解が不可欠で、丁寧な周知が必要
  • 財源:国・県の補助制度など特定財源の確保と官民連携による負担軽減
  • 関係者との連携:地権者でもある鉄道事業者をはじめ、十分な連携が必要

Q8. 策定後の進め方と、住民参加のあり方は?
A8. まず、ワークショップなどでビジョンを周知し、鉄道事業者との対話を重ねたうえで、具体的な方向性を示す「まちづくり基本計画」の策定を目指します。その後は庁内検討を進め、関係者と連携して事業化に向けた取り組みを進めます。中長期的には、将来像を共有し、誰もが参加しやすい環境を整えて、継続的にまちづくりを進めます。

まとめ

川越市駅周辺は、三駅を結ぶ中心地の一つとして位置づけられ、「駅東西の一体化」を軸にしたビジョンが示されました。次の段階として「まちづくり基本計画」策定を目指すことも確認できました。

ただ、ビジョンは実現してこそ意味があります。踏切や駅前での歩行者の安全、民間だけでは難しい面もあるにぎわいづくり、財源、鉄道事業者との話し合いなど、課題はたくさんあります。時代の変化が速い中、市民の声をこれからも取り入れ、参加しやすい仕組みをつくることが大切です。

川越市法定外税検討委員会条例について

今議会で、法定外税の導入を検討するための「川越市法定外税検討委員会条例」が可決されました。税の導入そのものが決まったわけではなく、「導入すべきかを検討する場」を設ける段階です。

背景

市は、持続可能な行財政運営のため、新たな財源の確保が必要だとして、観光分野の交通対策、環境美化、観光客の分散などを受益者負担の観点から検討するとしています。想定されている税は、宿泊税、駐車場税、入域税などです。

今後の流れ

令和8年度から9年度にかけて、有識者や商工関係者、課税対象となり得る事業者などから幅広く意見を聴き、必要性・対象・税率・使途を慎重に検討します。アンケート調査も検討されており、その後に国(総務大臣)との協議へ進みます。

地域からの声

一方、「自主財源の確保だけでは必要性の説明にならない」「2025年の観光客数は前年を下回った」などとして、ゼロベースでの審議を求める要望が、団体から提出されています。

これから大切なこと

  • 必要性を具体的なデータで示すこと
  • 事業者、住民、観光客の声を丁寧に反映すること
  • 検討の経過を分かりやすく公開すること

まとめ

財源確保の必要性と、観光地・商店街への影響。その両面から慎重な検討が必要です。


仙波浅間神社拝殿の天井画

仙波浅間神社拝殿の天井画は、折上格天井(おりあげごうてんじょう)になっています。百人一首歌仙像が80枚も描かれています。

作者は江戸時代の画家・江野 楳雪(えの ばいせつ)で、狩野派の絵師です。『川越氷川祭礼絵巻』なども描いています。

この天井画が、期間限定で公開されることになりました。

市には、市全域の歴史遺産の保存と活用を進める「川越市文化財保存活用地域計画」があります。この計画を生かして、天井画の保存と公開につなげられたらと思います。


データセンター誘致

9月議会の産業建設常任委員会では、市が公表した「企業誘致に向けた経済波及効果等調査結果」を取り上げました。データセンターは、1社あたり約31.5億円と、誘致産業の中で最も高い税収効果が試算されています。一方、緑地の保全、電力の消費、排熱や騒音など、住環境への影響を懸念する市民の声もあります。

財政効果だけでなく住民の安心と自然環境が両立するよう、議会の場で確認してまいります。


9月議会一般質問:外国籍市民への生活文化・日本語教室

はじめに

川越市の外国籍市民は増え続けています。人口減少と高齢化が進むなか、外国籍市民は、介護現場や工場など、今や、川越市の暮らしと経済を支える存在になっています。

一方、外国籍市民が日本語や生活ルールを学ぶ機会は、ボランティア団体の力に頼っているのが現状です。教え方や教材もさまざまで、外国籍市民が増えるなか、ボランティア任せでは立ち行かなくなる心配があります。

そこで9月議会では、外国籍市民の学習機会の提供に市が力を入れるべきではないかと質問しました。質疑の要点をご報告します。

質問と答弁

Q1. 外国籍の市民は、どのくらい増えましたか?
A1. 平成27年度の6,202人から令和7年度は12,517人へ。10年間で約2倍になりました。

Q2. どこの国の人が増えていますか?年代は?
A2. 増加が大きいのはベトナム(1,736人増・約2.9倍)、ネパール(1,610人増・約4.6倍)、中国(912人増・約1.5倍)です。年代は20代が38.8%と最多。30代21.7%、40代11.6%と続きます。

Q3. 外国籍の市民が多い地区はありますか?
A3. 人口に対する割合が高いのは霞ケ関北地区5.4%、高階地区4.3%、本庁管内4.1%です。駅や大学、日本語学校があるためと考えられます。

Q4. 在留資格には、どんな特徴がありますか?
A4. 多い順に、永住者(22.3%)、留学(19.7%)、技術・人文知識・国際業務(12.0%)です。全国と比べ、「留学」の割合が高いことが川越の特徴です。

Q5. 市はどんな取り組みをしていますか?
A5. 生活ガイドブックや、英語とやさしい日本語の「Koedo Kawagoe News」など、多言語での情報提供を行っています。国際交流センターでの相談窓口、日本語学習の支援、日本語ボランティアなども。

Q6. 地域の人から、どんな困りごとが寄せられていますか?
A6. 交通ルール、生活の音、ゴミの出し方、路上喫煙についての相談が寄せられています。

Q7. 「外国籍市民会議」がありますが、これはどういうもので、どんな話し合いをしていますか?
A7. 外国籍または外国にルーツのある10人の委員が、市の施策について意見を出し合う会議です。
昨年度は「ゴミの分け方・出し方」と「自転車のルール」がテーマでした。ルール違反の多くは、わざとではなく、ルールを知る方法が足りないことが原因だと考え、絵記号(ピクトグラム)を使った案内づくりや、知らせ方を増やすことが提案されました。

Q8. 国際交流センターのボランティア日本語教室は、どんな様子ですか?
A8. 週4回、12コマで、9つの団体が活動しています。日本語の学習支援のほか、外国にルーツのある子どもの勉強、生活全般の手助けもしています。
昨年度は、ボランティア延べ3,846人、外国籍の市民延べ4,251人が参加しました。市は、場所や教材の提供、お知らせ、研修などを担当しています。

Q9. 令和8年度の新しい事業は、どんな内容ですか?
A9. 2つあります。

  • 生活オリエンテーション事業
    引っ越してきた外国籍の方に、ゴミの出し方、交通ルール、防災などの情報を対面で伝えます。
  • 初期学習者向け日本語教室事業
    県の「地域日本語教育プログラム」を活用。日本語教師、地域日本語教育コーディネーターを配置、地域の方も交流パートナーとして参加します。1回2時間、全8回の教室を国際交流センターで開きます。

Q10. 暮らしのマナーを学ぶ講座を増やせませんか?
A10. ルールやマナーを知ってもらうことは、住民同士のトラブルを防ぐために欠かせないと認識しています。オンライン講座も含めて研究します。あわせて、生活ガイドブックと「やさしい日本語」(相手に配慮した、わかりやすい日本語)を広めていきます。

Q11. 市として、日本語教育をどう広げますか?
A11. 国の方針が、ボランティア頼みから、国の責務として、国が学習機会を保障する方向へと大きく転換しました。これを踏まえ、市は昨年度、初期学習者向けの教室を試験的に開きました。今年度は回数を増やします。教室を終えた方が学び続けられるよう、ボランティア団体と協力していく考えです。