人と環境に配慮した道づくり〜緑の木陰と無電柱化とほこみち2024年6月議会一般質問

 人と環境に配慮した道づくり〜緑の木陰と無電柱化とほこみちについて一般質問しました。
「車中心社会から人中心社会へ」大きく舵が切られています。そこで、歩きやすい道、人が歩いて楽しい街を目指すうえで、道路の役割が重要です。温暖化防止のためにも外出時の車利用を自転車や公共機関に切り替えたりする努力も必要とされる中、現在の道路は歩行者や自転車には優しいとは言えません。熱中症が毎年増えていて、熱中症予防として、特に夏場は日中は外に出ない、涼しい家の中にいるよう市からも対策が出されています。
樹木の維持管理にも、市の予算で毎年約1億3000万円がかかります。苦情対応にあわせた街路樹管理にならずに市が街路樹や緑に対してどうしていきたいのか、あらためて方向性を示していただきたいと思います。
 次に無電柱化の促進は、防災面からのメリットがあり、電気や情報通信回線の被害も軽減しするとともに、歩行者と自転車の安全を図り、美しい景観を作ることができるということもありますので、無電柱化を引き続き進めていっていただけたらと思います。そして、路線ごとでなく、川越市全体をとらえた無電柱化の計画の策定が進むことを期待します。その際に、無電柱化のデメリットであるコスト高や工期の長さなども克服できる手法を組み合わせることで実現できると期待しています。
さらに無電柱化事業にあわせて街路樹を植樹、ベンチなど設置したり、景観への配慮からガードレールを木製防護柵にしたりすることができたら、観光客や地元住民が歩いて楽しい街をまちを目指す上でも素晴らしいことです。川越市に贈与される森林環境贈与税を更に有効的に活用していただけたらと思います。
最後に、道路空間を街の活性化に活用し、歩道にカフェやベンチ、キッチンカーなどを置き、ゆっくり滞在できる空間、居心地が良く歩きたくなるまちなか空間」を創出する上で、行政・警察・テナント・地区住民など関係者間でまちづくりビジョンを共有し、官民一体の 取り組みができたらと期待しております。そして良好な公共空間を形成するような、まちの価値を高める道のあり方を検討して欲しいと思います。


人と環境に配慮した道づくり〜緑の木陰と無電柱化とほこみちについて全文一般質問と答弁

質問1 川越市で熱中症警戒アラートが発表された回数について伺います。
そんな中、世界で注目されている取り組みが、緑の木陰を増やすことです。世界では、樹木の枝や葉で道路の舗装面を覆う取り組みが進んでいます。しかし 日本の道路緑化は「樹冠被覆率」の対応が明記されず、多くの木が今でも枝を丸く、強く剪定されています。
答弁 熱中症警戒アラートの月別発表回数についてでございます。
過去3年間で申し上げますと、
令和3年度には、7月2回 8月5回 計7回、
令和4年度には6月3回 7月5回 8月8回 計16回
令和5年度には7月11回 8月13回 9月1回 計25回となっています。
なお、 今年度につきましては4月24日から10月23日までが運用期間になっておりますが、本日までに発表された日はございません。
質問2 熱中症で救急搬送された人員数の過去3年間の推移と直近の令和5年度の月ごとの人員数について併せて伺いたい。
答弁 重症で救急搬送された人員数の推移についてでございます。
川越地区消防組合に確認した過去3年間の数値でお答えいたします。
なお、川島町の人子も含まれております。
令和3年度が168人令和4年とか242人令和5年度が331人です。
令和5年度の月ごとの人員数でございますが
5月が15人、6月が34人、7月が143人、8月は99人、9月が40人でございます。
質問3 道路に設置される植樹体の役割について伺いたい。
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答弁 道路に設置する植樹帯の役割について、でございます。植樹帯につきましては、自動車と歩行者を分離し、交通の安全性や快適性の向上に役立つとともに、街並みに統一感を与え、沿道との景観の調和を図り風到美観を向上させる役割がございます。
また、街路樹により日差しを柔らげ、周囲の気温上昇の緩和するほか、火災時に延焼を防止するとともに、地震時の家屋倒壊防止等の役割も持ち合わせております。
質問4 街路樹が植樹されている市道はどういう路線にあるのか。また樹木の種類について伺いたい。
答弁 街路樹が植樹されている市道と樹木の種類についてです。
街路樹が植樹されている人の多くは、一定程度の幅員の歩道を備えた路線となっており、そうした路線の中でも、面的なまちづくりと一体的に整備された都市計画道路などに、連続的に植樹されております。
また、その樹木の種類につきましては、イチョウやケヤキ、サクラなどが主なものとなっております。
具体的な例を申し上げますと、砂新田の1丁目と2丁目にございます、土地区画整理事業行った区域の「いちょう通り」がございます。
また県道川越日高線から吉田新町2丁目に到る『おいせ橋通り」の桜とケヤキ、さらに鶴ヶ島駅前から県道川越越生線に到る「けやき通り」などがございます。
質問5 市道における街路樹の管理方法、剪定回数について伺いたい。
また維持管理にかかわる当初予算の推移について伺いたい。
答弁 街路樹の管理につきましては、様々な街路の適切な選定や管理を行うため、造園に関する知識や技術を有する技術者を配置できる者に、通年で街路樹選定管理業務を委託しております。
業務委託の中で行う選定の開始につきましては、樹種により時期は異なりますが、概ね年1回となっております。
また街路樹剪定管理業務委託に関わる当初の予算の推移につきましては、
令和4年が1億4000万円
令和5年の1億3000万円
令和6年度が1億3000万円 となっております。
質問6 市道における街路樹に関するご意見は、具体的にどのようなものなのか伺いたい。
答弁 苦情につきましては、落ち葉が自宅の雨どいに詰まってしまう、雨に濡れた落ち葉が滑りやすくなる、街路樹の枝が伸びて交差点等の見通しが悪いなどといった意見や、落葉(らくよう)が始まる前に、強く剪定することを求める意見などがございます。
一方で、強い剪定による樹形の乱れなどによる関する苦情も寄せられております。
質問7 市道整備において、これまでに取り組んできた無電柱化事業の概要について伺いたい。
 答弁 本市が取り組んできた無電柱化につきましては、これまでに、単独地中化方式、自治体管路方式及び、電線共同溝方式のいずれかを採用し、19路線、延長約6キロメートルの整備を実施しております。
最近の実績といたしましては、平成25年度から平成27年度にかけて、喜多院門前通り線を、また平成28年度から本年度にかけて、市立川越高校東側を通る都市計画道路川越駅南大塚線で実施しております。

質問8 無電柱化事業について、目的と効果について伺いたい。また課題についても伺いたい。
答弁  無電柱化の目的につきましては「防災」,「安全・快適」,「景観」の観点から道路の機能を向上するものでございます。
その効果といたしましては「道路の安全性の向上」,「通行空間の安全性・快適性の確保」、「良好な景観形成」、「情報通信ネットワークの信頼性向上」が図られるものでございます。
また、地中化方式による無電柱化での主な課題につきましては、整備にかかる費用が高くなることや工期が長くなってしまうことのほか、水道やガスとの各占用事業者との調整、無電中化に伴う地上機器の設置場所などの地元調整に時間を要することなどがございます。
質問9 クールシェアの市の取り組みについて伺いたい。
 答弁 クールシェアとは、真夏の暑い日に、家庭では、複数台のエアコンの使用をやめ、なるべく 一部屋に集まる工夫をしたり、公民館や図書館などの公共施設を利用したりすることで涼をシェアし、一人当たりのエアコン使用をし見直すという考え方ございまして、家族や地域で楽しみながら節電に取り組むことができると言われています。
本市におきましては、平成25年からクールシェア川越として、複数の公共施設をクールスポットで選定し、電力需要が高まる4月から9月までの間の節電対策として実施して参りました。
今年度につきましては、本年4月に施行された改正気候変動的適応法に規定される指定暑熱避難施設の役割を併せ持つ事業といたしまして、「指定暑熱避難施設(川越ひと涼み処)」指定事業を実施する予定でございます。
質問10 今後、街路樹を管理する上で、専門家の意見を踏まえた管理手法について,市の考えは。
答弁 専門家の意見を踏まえた街路樹の管理についてでございます。
街路樹の管理につきましては、必要な知識や機能を有する技術者を配置できる者に委託しているところでございます。
しかしながら、街路樹の健全性につきましては、外見からの把握が困難な場合もあり、過去には「けやき通り」において、樹木医による診断を行ってでもございます。
今後も、必要に応じて専門家に意見を求めるなど、街路樹の適正な管理に努めて参りたいと考えております。
質問11 無電柱化事業について、災害対策としてどのような機能があるか伺いたい。さらに、無電柱化事業にあわせて、間伐材など県産の木材を利用したベンチなどの休憩スペースの設置は可能か。
答弁 災害対策としての機能についてでございます。無電柱化の促進は、台風や地震時に電柱が垂れ下がったりすることにより、通行が困難になるリスクが回避され、避難路や緊急車両の円滑な通行が確保できる防災面からの機能がございます。
さらに、電線類の地中化により、災害時の電気や情報通信回線の被害を軽減し、ネットワークの安全性・信頼性が向上できる機能もございます。
質問12 無電柱化事業にあわせて街路樹を植樹し、ベンチなどの休憩スペースの設置は可能なのか伺いたい。また景観への配慮が必要は場合、木製防護柵にすることができないのか伺いたい。
 答弁 地中化方式による無電柱化では、地上空間に活用可能な空間が創設される一方で、道路下には上下水道やガスのほか、あらたに電気、通信等のライフラインが埋設されることから、利用空間が限定されることとなります。
そのため、街路樹の植樹につきましては、地下埋設物の確認を踏まえた植樹スペースの確保等の可能性についても検討していく必要があると考えております。
休憩スペースの設置につきましては、歩行者が安全に通行できる空間を確保した上で、例えば県産の木材をふまえた検討が必要であると考えております。
また、景観への配慮が必要な場合の木製防護柵の設計につきましては、防護柵の安全基準に適合することを前提に、道路環境考慮しながら可能性を検討していく必要があると考えております。
質問3 今後、無電柱化事業をどのように進めていくのか、市の考えを伺いたい
答弁 今後の無電柱化事業の進め方についてございます。無電柱化については、平成28年12月に「無電柱化の推進に関する法律」が施行され、都道府県や市町村に、無電柱化推進計画の策定が努力義務化されております。
そのようなことを踏まえ、今後、市域全体をとらえた無電柱化の実績や北部市街地及び3駅周辺地区における取組を整理し、無電柱化事業の推進を図るため、法律に基づく無電柱化推進計画の策定を進めていきたいと考えております。
質問14 「歩行者利便増進道路」(通称:ほこみち)制度を利用した、特例区域を指定について、市の考えを伺いたい。
 答弁 歩行者利便増進道路(通称:ほこみち)制度を利用した、特例区域を指定についてですが、
歩行者利便増進道路(通称:ほこみち)は、道路管理者が指定することにより、食事施設、休憩施設等の賑わい施設を道路占用により設置可能となるほか、占用者の公募により占用期間が最長20年延長となるなど、道路空間の活用がしやすくなる制度で、この制度を利用することにより、民間のまちづくりへの参加を促進する等の効果があるものと考えております。
本市といたしましては、バリアフリー等の道路としての構造基準への適用のほか、歩行者の安全かつ円滑な通行のための有効幅員が十分に確保でき、高齢者や障害者にとって安全で歩行しやすい歩道であるなどの要件を満たすことが必要であるから、現時点で指定を予定している路線はありませんが、今後、指定を検討する場合は、沿道住民の方々のご理解や関係部局、公安委員会との協議等を慎重に進めていく必要があると考えております。
質問15 官と民が連携し、一体的な空間を創出するまちづくり施策として、「まちなかウォーカブル推進事業」があるが、今後、市として取り組んでいく可能性について伺いたい。
  答弁 まちなかウォーカブル推進事業を今後、市として取り組んでいく可能性について、でございます。 まちなかウォーカブル推進事業は、「居心地が良く歩きたくなる」まちなかづくりを促進するため、道路・公園・広場等の既存ストックの改修・改変を実施することに伴い、民間事業者による沿道店舗のオープンテラス等の取組や、公共空間を利用した賑わいイベント等の実施が見込まれている場合に、活用する事が有効な事業だと認識しております。
本市においては、民間主体による、まちづくりの取組が活発であるなか、民間による公共空間を活用した賑わいの創出や、その活用により得た収益を、公共空間の管理等に還元する事による、行政負担の軽減等のメリットも期待されますが、本事業の活用に当たっては、関係者間でまちづくりビジョンの共有と、官民一体の 取り組みとしていくための、多岐にわたる調整が必要になるものと考えていており、引き続き、地域の実情を踏まえ、本市における活用の可能性について、検討してまいりたいと考えております。
質問16 まちの価値を高めるような特色づくり空間としての道路のあり方が今後求めらると考えるか、市のお考えを伺いたい。
今後の道路づくりにおいての考えについて、でございます。本市では、現在、中心市街地の渋滞緩和、産業拠点へのアクセス向上、市全体の交通ネットワークの強化・構築に向けた道路拡幅や歴史的な街並みの道筋の保全などの街路整備として、回遊する歩行者系ネットワークの整備を進めているところでございます。今後の道路づくりにおきましては、自動車や歩行者の通行機能の向上目的とした整備、安全で快適な歩行空間の 創出、地域の特性を生かした暦みち事業等の推進、災害に強い道路網の構築など、魅力的な空間づくりの取り組みについても進めていく必要があると考えております。